REQUIEM

A.D.

1582

天 正 十 年

無料配布中Honnoji Incident

本能寺の変

六月二日 · 京都 · 本能寺

天下統一を目前に、織田信長は炎の中で消えた。

Incident Briefing · 事件概要

四百年、定説は揺るがなかった

天正十年(1582年)六月二日、未明。京都・本能寺で宿泊していた織田信長を、重臣・明智光秀率いる一万三千の兵が襲撃した。

わずか三十名の供回りしかいなかった信長は、奮戦の末に本能寺に火を放ち、炎の中でその生涯を閉じる。遺体は発見されなかった。

わずか11日後、羽柴秀吉が「中国大返し」で京へ戻り、山崎の戦いで光秀を討つ。光秀は「三日天下」のまま、歴史から退場した。

だが、本当にそうだったのか?

光秀の動機は、本当に怨恨だったのか。
200km先から驚異の速度で戻った秀吉は、なぜそれほど早く動けたのか。
信長の遺体が消えた理由は。

Suspects · 容疑者

八人の容疑者、
ひとつの真実

あなたは、誰になる?それぞれの秘密と動機が、歴史を書き換える。

C1 · 桔梗

謀反の将

明智光秀

あけち みつひで

1528年頃 – 1582年 · 享年54

「謀反ではない。これは……正義だ」

歴史は「犯人」と決めつけた。だが、あなたは知っている——本当の動機を。

全員があなたを疑う。だからこそ、真実を語る権利はあなたにしかない。最も追い詰められ、最もドラマチックな役。

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Historical Role · 歴史的な立場

織田信長の重臣。近畿方面軍司令官として丹波攻略を成し遂げ、信長配下でも最高位に昇りつめた武将。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 美濃土岐氏の末裔と称し、足利義昭に仕えた後に信長の家臣へ。
  • 連歌・茶の湯・古典に通じた、当時屈指の教養人。
  • 愛宕山の連歌会で「ときは今 あめが下しる 五月かな」と詠み、直後に本能寺を襲撃。

Personality · 人柄

冷静沈着で几帳面、部下思い。ただし信長からの度重なる叱責と屈辱には深い鬱屈を抱えていたと伝わる。

Relation to the Incident · 事件との関係

本能寺の変の実行犯。1万3千の兵を率いて未明の本能寺を囲み、信長を自害に追い込んだ——だが動機は400年、議論が止まない。

C2 · 五三桐

天下の策士

羽柴秀吉

はしば ひでよし(後の豊臣秀吉)

1537年 – 1598年 · 享年61

「泣いて見せるのも、笑って見せるのも、すべて計算よ」

200km先の戦場から、ありえない速度で戻ってきた。偶然? それとも——

嘘と真実を自在に操る快感。全員を味方につけるか、全員を欺くか。頭脳戦を楽しみたい人へ。

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Historical Role · 歴史的な立場

尾張中村の農民出身。信長に見出され、墨俣一夜城や中国攻めで功を挙げた、戦国随一の出世頭。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 変の前、備中高松城で毛利氏と対峙中だった。
  • 変の一報を受けるや、わずか11日で200kmを踏破した「中国大返し」。
  • 山崎合戦で光秀を撃破、以後急速に信長後継の地位を固めた。

Personality · 人柄

人懐こく機転が利き、人心掌握に長ける。だがその裏で常に計算を怠らない、戦国最大の策略家。

Relation to the Incident · 事件との関係

中国大返しの異常な速さが、事前に変を知っていた疑いを生んだ。変の最大の受益者でもある。

C3 · 三葉葵

忍耐の狸

徳川家康

とくがわ いえやす

1543年 – 1616年 · 享年73

「……急いてはならぬ。全てを見てから動く」

事件の夜、堺にいた——はずだった。逃走劇の裏に、何を隠している?

沈黙こそ最強の武器。誰よりも多くを知り、誰よりも少なく語る。戦略的に立ち回りたい人の最適解。

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Historical Role · 歴史的な立場

三河国岡崎の大名。信長の同盟者として長年苦楽を共にしたが、後に江戸幕府を開く。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 幼少期は今川氏の人質として育ち、忍耐を骨の髄に染み込ませた。
  • 信長の命で長男・信康と正室・築山殿を失うという深い傷を負う。
  • 変のとき堺に滞在。伊賀越えで命からがら三河へ帰還(共謀者とされる穴山梅雪は途中で横死)。

Personality · 人柄

寡黙で慎重、何を考えているか読めない「忍耐の狸」。だが好機と見るや即座に動く、冷徹な戦略家。

Relation to the Incident · 事件との関係

変後の最大の独立獲得者。堺滞在と伊賀越えの不自然な段取りから、黒幕説の候補に挙がる。

C4 · 下藤

影の忠臣

斎藤利三

さいとう としみつ

1534年 – 1582年 · 享年49

「守るべきものが、二つある。どちらかしか選べないとしたら」

主君に従い兵を動かした。忠義の鑑か、それとも——共犯の首謀者か。

忠義と家族の間で引き裂かれる葛藤。正解のない選択を迫られる、最も人間味のある役。

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Historical Role · 歴史的な立場

光秀の筆頭家老にして腹心。稲葉一鉄の元を出奔して光秀に仕え、以来ずっと光秀を支え続けた。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 姉が四国の大名・長宗我部元親の正室。信長の四国征伐決定で家族の命が危機に。
  • 本能寺襲撃の先鋒を務めた。
  • 山崎合戦の後に捕縛され、六条河原で処刑される。

Personality · 人柄

実直で寡黙な武人。主君に対しても四国の家族に対しても、破り得ない二重の忠義を背負っていた。

Relation to the Incident · 事件との関係

光秀を本能寺襲撃へと背中を押した、あるいは共謀した可能性のある最重要人物。

E1 · 九曜

裏切りの盟友

細川藤孝

ほそかわ ふじたか(後に幽斎)

1534年 – 1610年 · 享年77

「沈黙は、裏切りより重い罪だろうか」

親友から届いた密書。読んだ。知っていた。そして——何もしなかった。

「知っていたのに動かなかった」という最も残酷な立場。あなたの一言が全員の運命を変える。

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Historical Role · 歴史的な立場

足利将軍家の奉公衆から信長に仕えた文武両道の大名。古今伝授の継承者で、当代屈指の歌人。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 光秀とは盟友。子(忠興)と光秀の娘(玉・ガラシャ)が結ばれた姻戚でもあった。
  • 変の直後、電光石火で剃髪して光秀と断絶——あまりの素早さに「事前知情」説が生まれる。
  • 以後、秀吉・家康に仕えて細川家の礎を築き、76歳で関ヶ原の前哨戦を戦い抜いた。

Personality · 人柄

温和で洗練された文化人。だが乱世を生き抜くため、誰よりも素早く動ける冷徹な判断力を秘める。

Relation to the Incident · 事件との関係

光秀からの協力要請を黙殺した、ただ一人の盟友。その判断が光秀を孤立させ、敗死へ追いやった。

E2 · 牡丹

朝廷の密使

近衛前久

このえ さきひさ

1536年 – 1612年 · 享年77

「朝廷は常に正しい側にいる。どちらが正しいかは、勝者が決める」

事件前夜の密会。天皇の名のもとに、何を伝えたのか。

武士ではない。だが政治の闘は刀より深い。情報と権威だけで盤面を支配する、異質な知略戦。

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Historical Role · 歴史的な立場

五摂家筆頭・近衛家の当主。関白経験者にして、朝廷と武家の橋渡し役を長年担った公家。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 信長と対立して一時京都を離れ、本願寺との和睦を仲介。戦国の混乱に最も近い公家だった。
  • 信長から正親町天皇の譲位を迫られる状況にあり、朝廷全体が強い危機感を抱いていた。
  • 変の直後、光秀のもとに朝廷の勅使を送る手際の良さを見せた。

Personality · 人柄

洗練された公家の中で、武辺の将たちと渡り合える稀有な行動派。優雅さの下に剛胆な政治感覚を秘める。

Relation to the Incident · 事件との関係

変の前後、朝廷の動きが光秀に有利に働いた経緯から、朝廷黒幕説の中心人物として疑われる。

E3 · 十字

南蛮の目撃者

宣教師

イエズス会宣教師(オルガンティノら)

16世紀後半

「神に誓って真実を語る。だが、真実にも順序がある」

109メートル先の教会から、炎を見た。異邦人だけが持つ「第三の目」。

唯一の部外者にして唯一の目撃者。誰にも忖度しない視点で全員を揺さぶる、トリックスター。

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Historical Role · 歴史的な立場

信長の庇護下で京都に滞在していたイエズス会宣教師。日本語に堪能で、日本を本国へ細大漏らさず報告する記録者。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 信長は宣教師の南蛮文化を好み、京都の南蛮寺(教会)は本能寺からごく近い位置にあった。
  • ルイス・フロイス『日本史』には、変の詳細が欧州側視点で克明に記されている。
  • 布教の背後で各国の政治情報を収集する、事実上のスパイネットワークでもあった。

Personality · 人柄

穏やかで知的な異邦人。日本の習慣を深く理解し、決して表に出ない観察者としての鋭さを持つ。

Relation to the Incident · 事件との関係

本能寺の近くから炎を目撃した、利害関係のない「第三者の記録者」——のはずが、情報を売る者でもあった。

E4 · 波紋

炎の中の妻

濃姫(帰蝶)

のうひめ(きちょう)

1535年頃 – 没年不詳

「女だから何も知らぬと? ……この乱世、最も恐ろしいのは刀ではない」

あの夜、本能寺にいたのか? 歴史から消えた女性だけが知る、最後の秘密。

歴史が沈黙した存在。誰も予想しない切り札を握る、最大のダークホース。

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Historical Role · 歴史的な立場

信長の正室。美濃の「蝮」と恐れられた斎藤道三の娘として、信長に嫁いだ女性。

Key Facts · 人生のハイライト

  • 父・道三は嫁入り時、「信長が愚か者ならこの短刀で刺せ」と短刀を持たせたと伝わる。
  • 婚姻は織田と斎藤の同盟の象徴。だが父・道三が信長を認めて以降、関係は静かに深まった。
  • 本能寺の変以降、一次史料からぱったり姿が消える——戦死説、生存説、諸説が残る。

Personality · 人柄

凛として賢く、乱世を生き抜いた武家の妻。多くは語らないが、誰より信長の本質を見ていた人物。

Relation to the Incident · 事件との関係

本能寺の夜、信長と共に寺にいたとも、別の場所にいたとも言われる。失われた一夜の証人。

全8人 — プレイ人数(5〜8人)に応じて登場人物が決まります

Historical Theories · 史実と諸説

四つの仮説

本能寺の変の動機と黒幕については、江戸時代から現代まで議論が続いています。主要な説を、歴史的背景とともに紹介します。

Traditional Theory · 通説

光秀単独犯行説(怨恨説)

最も広く知られる定説。信長による人前での侮辱、領地召し上げ、母親の処刑、斎藤利三の扱いなど、積年の恨みが爆発したという説。 江戸時代の講談や軍記物で繰り返し語られ、戦後の歴史教育でも基本とされてきました。

根拠: 信長が光秀を家臣団の前で足蹴にした逸話、接待役を解任された記録、母親が人質として処刑された伝承など。ただし、これらの多くは江戸期以降の二次資料で、一次史料の裏付けが乏しい。

Recent Study · 注目の新説

秀吉黒幕説(中国大返しの謎)

近年注目を集める仮説。「信長を討ったのは光秀だが、光秀を動かしたのは秀吉だった」というもの。 備中高松城から200kmを11日で駆け抜けた「中国大返し」の異常な速さは、事前準備なしには不可能—— つまり秀吉は、変が起きることを知っていた、あるいは仕組んだのではないか、という推論。

根拠: 中国大返しの速度、秀吉が事前に毛利と秘密交渉していた形跡、光秀が討たれた山崎合戦での秀吉の手際の良さ、信長の後継として急速に権力を握った政治的プロセス。

Alternative Theory · 異説

家康黒幕説(伊賀越えの謎)

信長に妻子(築山殿と信康)を失った家康が、復讐と独立のために光秀を唆したという説。 変のとき家康は堺にわずかな供回りだけで滞在——まるで「変後すぐ逃げられる準備」をしていたように見える。 伊賀越えの脱出劇は、事前の段取りなしには成立しない、とする見方も。

根拠: 築山殿事件の遺恨、変後の家康の動きの速さ、伊賀越えで共謀者・穴山梅雪が怪死した経緯。ただし、家康自身が狙われても不思議のない状況にいたため、単独黒幕説としては弱いとされる。

Alternative Theory · 異説

朝廷黒幕説(信長の権威侵犯)

信長が朝廷の権威を脅かす存在になりつつあり、天皇・公家集団が危機感から光秀に接近した、とする説。 変の直前、朝廷と信長の関係は緊張しており、近衛前久ら公家と光秀の密接な交流が記録に残っています。

根拠: 信長が正親町天皇の譲位を要求していた記録、近衛前久が変後すぐに光秀と連絡を取った事実、朝廷が変を「新秩序」として迅速に受け入れた経緯。

真相は、いまも確定していない。

だからこそ——あなたがこのゲームで出す答えが、歴史の「もう一つの真実」になり得る。

Game Design · 本作のゲーム性

同じ事件、
32通りの物語

本能寺の真相はあなたが推理で導く——そして、その結論があなた自身の結末を決める。

Personal Endings

32通りの個人エンディング

8人 × 推理結果 × 秘密の選択 = 32パターン。 同じ役をやっても、選択が違えば違う結末。同じ卓でプレイしても、全員が違う物語を持ち帰る。

Historical Branching

歴史分岐エンディング

プレイヤー全員の推理と投票が、歴史そのものを書き換える。 導いた結論に応じて、本能寺の変の「別の歴史」が語られるエピローグが待つ。

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四百年の謎に、
あなたの答えを。

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